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昔と今ではここまで違う!玄関<上り框の高さ>の違い

玄関の上り框の高さは、昔と現代で大きく変わっているのをご存じですか?


かつては30〜40cmが当たり前。

現代では18cm以下が主流です。


わずか十数センチの違いですが、そこには「暮らし方」と「住宅技術」の進化が詰まっています。


玄関の上り框、高さの歴史

1.昔の玄関:高い理由(30〜40cm)

昔の日本家屋は、湿気との戦いでした。

そのため、以下の理由で、框の高さを高めに設定する必要があったのです。


⚫︎ 湿気と風通し対策

日本は高温多湿の気候です。

床下を高くし、風を通すことで湿気を逃がし、カビや腐食を防いでいました。

いわゆる「床下通風」を確保するための高さです。


⚫︎ ゴミや水の侵入防止

土間(昔は土の床)からそのまま室内へ上がる構造だったため、屋外の泥や雨水が生活空間へ入りにくいよう、はっきりと段差を設けていました。

段差は「外との境界線」でもあったのです。


⚫︎ 腰掛け機能

実は40cm前後という高さは、腰掛けるのにちょうどよい寸法。

上り框に座って、わらじや草履を脱ぎ履きする合理的な高さでした。

つまり、昔の高さは「風土と生活に最適化された寸法」だったのです。


2.現代の玄関:低い理由(18cm以下)

現代住宅では18cm以下が一般的です。

ここまで低くなったのには、次のような理由があります。


⚫︎ バリアフリー化

国土交通省の住宅設計指針では、段差はできるだけ小さくすることが推奨されています。

高齢者や小さなお子さまがつまずきにくい高さとして、18cm以下(低い方がより良い)が目安になっています。


⚫︎ 生活様式の変化

現代では、靴を脱ぎ履きする際、腰を深く曲げる必要がありません。

腰掛けられる程の上り框もだんだん必要ではなくなっていきました。


⚫︎ 住宅構造の変化

基礎は鉄筋コンクリートが主流になり、防湿シートや断熱材の性能も大きく向上しました。

床下換気も計算された設計が可能になり、昔ほど高さに頼る必要がなくなったのです。

技術の進歩が「低さ」を可能にした、と言えます。


上り框が高いメリット・デメリット

メリット

・腰掛けやすい

・玄関と室内の区切りが明確

・重厚感や和風の趣が出る


デメリット

・高齢者や小さなお子さまには負担

・転倒、落下リスクがある

・手すりが必要になる場合もある


上り框が低いメリット・デメリット

メリット

・安全性が高い

・将来的にも安心(介護対応しやすい)

・空間が広く見える


デメリット

・腰掛けにくい

・土間と室内の区切りが曖昧になりやすい



これから家を建てるなら高さはどうする?

結論は、「誰が住むか」で決めることです。


・将来を見据えてバリアフリー重視なら低め

・和風住宅や重厚感を出したいならやや高め

・中間の20〜22cm程度という選択肢もあり


「18cm以下」が絶対正解というわけではありません。

家づくりは基準だけでなく、暮らし方に合わせることが大切です。


最近では、ほぼフラットにして手すりやベンチを併用するケースも増えています。

段差を減らしつつ、使いやすさを補う工夫です。


まとめ

昔の玄関は、日本の風土に適応した「機能的な高さ」。

現代の玄関は、安全性と快適性を重視した「バリアフリーの低さ」。

同じ「玄関」でも、考え方がまったく違います。

たった十数センチの段差ですが、そこには時代の価値観が映っています。


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