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ダウンフロアで暮らしをアップデート!メリット・デメリット徹底解説

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住宅の間取りやインテリアを考えるとき、「床を下げる」という発想は、実はとても魅力的なのに見落とされがちな工夫です。

平面的なレイアウトだけではなく、高さに変化をつけることで生まれる「奥行き」や「雰囲気の違い」は、住まいの印象を驚くほど豊かにしてくれます。


その中でも近年じわじわ注目を集めているのが「ダウンフロア」です。

「小下がり」とも言われています。


リビングの一角や畳スペースなどを少し低くするだけで、空間の表情がぐっと変わり、家全体の使い方にも新しいリズムが生まれます。

段差をつくるというシンプルな手法でありながら、家族が集まりやすい「くつろぎの巣」になったり、視線が変わることで開放感が増したりと、機能面でもデザイン面でも大きな効果を発揮します。


今回は、そんなダウンフロアの魅力と、取り入れる前に知っておきたい注意点を分かりやすく解説していきます。暮らしの質をひとつ上げるヒントとして、ぜひ参考にしてみてください。


ダウンフロアとは?

ダウンフロアとは、床の一部を周囲よりも低く設計した空間のことです。

リビングの一角を1段下げて「くつろぎスペース」にしたり、キッチン横に小さなダウンフロアを作り「家族の団らんコーナー」にしたりと、自由な使い方が可能です。

単なるデザインだけでなく、空間のメリハリや動線にも効果を発揮します。


ダウンフロアのメリット

1. 空間に奥行きと広がりを演出できる

床を下げることで視線に変化が生まれ、実際よりも広く感じる効果があります。

段差がつくことで空間に立体感が生まれ、同じ天井高でも「天井が高くなったような錯覚」をつくれるのが大きな魅力です。


特にリビングでは、ソファやテーブルの高さとのバランスを考えたダウンフロア設計が、開放感と落ち着きを両立させます。

段差によって座る位置が自然と低くなるため、目線が安定してリラックスしやすく、囲まれ感のある「こもりリビング」のような雰囲気を生み出します。


さらに、床の高さの違いは空間にリズムを生み、同じワンルームでも「単調にならない視覚構成」をつくれます。

大きく間取りを区切らずにメリハリをつけたい方にとって、ダウンフロアは非常に相性の良い設計手法です。


2. 家族のコミュニケーションを促進

小さな段差が「自然と座る場所」をつくり、リビングでの家族の団らんを心地よくサポートします。

段差の内側に座ると、床に直接座るよりも囲まれ感が生まれ、家族との距離がぐっと近く感じられます。


また、段差があることで空間に自然な境界が生まれ、お子さんたちにとってはちょっとした「自分だけのスペース」になります。

ダウンフロアの内側で遊んでくれることが多く、おもちゃが散らかっても視覚的に広がりにくいため、リビング全体としてはすっきりした印象を保ちやすくなります。

家族の気配を感じつつも、適度に区切られた安心感のある空間になるのも大きな魅力です。


家族がそれぞれ別のことをしていても、ダウンフロアがあるだけで会話が生まれやすくなり、リビングの一体感が高まります。


3. デザイン性の向上

段差を取り入れることで、フローリングやタイルの切り替え、間接照明の設置など、インテリアの自由度が一気に広がります。

床の高さに変化が生まれるだけで、空間全体の視線がコントロールされ、家具や照明の配置にもストーリー性が生まれます。


ダウンフロア部分をあえて異素材で仕上げると、視覚的なアクセントになるだけでなく、まるで一つのステージのような雰囲気をつくることもできます。

ホテルライクな落ち着いた空間や、海外インテリアのようなモダンな雰囲気を目指すときにも、この段差が主役になってくれます。


照明計画とも相性が良く、段差のラインに間接照明を仕込むと、夜は光がふんわりと溜まるような柔らかい表情に変わります。

昼と夜でガラッと印象が変わるため、暮らしの中で「見せ場」をつくりたい方には特に魅力的なデザイン手法です。


4. 空間にメリハリをつけられる

ダウンフロアを設けることで、同じ部屋の中でも「くつろぐ場所」と「動きのある場所」のゾーンを自然に切り分けられます。

段差というシンプルな違いでも、視線の高さと動線が変わるため、空間全体にメリハリが生まれます。


リビングの一角を少し下げると、そこが自然と「腰を落ち着ける場所」として機能しやすくなり、座る・立つといった動作の切り替えがスムーズになります。

通路となるフラット部分は生活動線として確保されるため、家族が歩くラインを邪魔しにくく、生活のリズムが整いやすいのも特徴です。


さらに、段差が生む「ゆるやかな境界」は、壁で仕切るよりも開放感を損なわず、空間の一体感を保ちながらゾーニングができます。

広すぎて使い方がぼやけがちなLDKでも、ダウンフロアを使うことで暮らしのシーンがはっきりし、空間の主役が際立ちます。


ダウンフロアのデメリット

1. 段差による転倒リスク

小さな段差でも、特に小さなお子さんや高齢者には転倒の危険があります。

視線が変わる分、慣れるまで足の運びがぎこちなくなることもあります。

安全面を考慮し、角を丸くする、段差を低めに抑える、床材の滑りにくさを調整するなどの工夫が欠かせません。夜間や来客時にも気づきやすいよう、段差部分に間接照明を仕込む人も増えています。


2. 工事費や施工の手間が増える

通常のフラットな床に比べ、ダウンフロアは構造の調整や補強、仕上げ工程が増えるため、どうしてもコストは上がりやすくなります。

特にリフォームの場合は既存の床をどれだけ下げられるかの確認が必要で、給排水や電気配線が絡む場合はさらに手間がかかります。

完成後の満足度は高いものの、「施工期間や費用は少し余裕を見ておく」といった心構えがあると安心です。


3. 家具配置に制限が出る場合も

段差によって空間の高さが変わるため、家具のサイズやバランスを慎重に考える必要があります。

既存の家具が合わないケースもあり、特にソファーは座面の高さと段差のバランスが取りにくいことがあります。

テレビボードやローテーブルとの視線の関係も変わるため、設計段階で「どこに何を置くか」を一緒に考えることで失敗を減らせます。


4. 掃除やメンテナンスの手間

構造上ロボット掃除機での清掃は難しく、手作業が欠かせません。

また、段差の影ができることで見えにくい汚れが溜まることもあります。

慣れてしまえば特に大きな問題とはなりませんが、「ひと手間増える」と捉えておくとギャップが小さいかもしれません。

掃除道具を置く位置や、段差部分の素材選びでメンテナンス性を高める工夫が必要です。


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ダウンフロアを取り入れる際のポイント

段差の高さは約20〜30cmが目安

一般的に、段差は20〜30cmほどが扱いやすく、安全性とのバランスも良いと言われています。

これ以上深くすると昇り降りが大変になり、特に小さなお子さんや高齢のご家族がいるご家庭では負担が大きくなる場合があります。

日常的に行き来する場所か、それともくつろぎ専用スペースかによって、適切な高さが変わるため、ライフスタイルに合わせて調整すると快適さが高まります。


照明や素材で段差を強調

段差は「見やすさ」が安全面に直結します。

床材の色や質感を変えて視覚的に境界を作る方法はもちろん、段差ラインに間接照明を仕込むことで、夜でも足元がしっかり認識できます。

デザイン性も上がるため、実用と美しさを同時に叶えられるポイントです。

素材の組み合わせ次第で雰囲気が大きく変わるので、ナチュラルにもモダンにも演出できます。


家具との調和を意識

ダウンフロアは単体で完成するものではなく、ソファーやラグ、テーブルなどの居場所を作る家具との相性が仕上がりの印象を左右します。

段差で視線が下がる分、家具の高さが合っていないと座り心地や見た目に違和感が出やすくなります。

設計段階で配置を想像しながら高さを決めると、空間が無理なくつながり、より自然で落ち着いたリビングになります。


まとめ

ダウンフロアは、床の高さを変えるだけで空間に奥行きが生まれ、家族が自然と集まる居心地の良いリビングをつくり出せる魅力的なデザイン手法です。

視覚的な広がりはもちろん、くつろぎスペースと生活動線をゆるやかに分けることで、暮らしやすさも向上します。


一方で、安全性や家具とのバランス、施工コストなど、計画段階で押さえておきたいポイントもあります。

段差の高さや範囲を家族構成・ライフスタイルに合わせて丁寧に設計することで、毎日の生活にしっくり馴染むダウンフロアになります。


リビングリフォームや新築をご検討中の方は、ぜひISK工房へお気軽にご相談ください。

空間の使い方の可能性を一緒に広げていければ幸いです。

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