オシャレな空間をつくるための統一感と設計のコツ
- ISK 工房

- 10月7日
- 読了時間: 9分
更新日:10月16日

1. はじめに:空間に「オシャレさ」を宿す意味
「デザイン的にかっこいい部屋」にしたいと思う人は多くても、それだけでは単に見た目が整っただけで、暮らしの快適さや「自分らしさ」が伝わりにくいことがあります。
オシャレな空間とは、統一感・機能性・暮らしの心地よさが揃って初めて完成します。
例えば、同じテイストの家具や照明で統一されていても、収納や動線が考えられていなければ、見た目はきれいでも生活しづらい部屋になってしまいます。
逆に、統一感と機能性が両立した空間では、暮らしの中での「使いやすさ」と「居心地の良さ」が自然と生まれ、住む人にとって毎日の生活が快適になるだけでなく、訪れた人にもセンスの良さが伝わります。
この記事では、こうしたポイントを押さえつつ、誰でも取り入れやすい統一感のある内装づくりの秘訣をお伝えします!
2. 統一感を作るコツ:色・素材・配置のバランス
カラーパレットを絞る
空間に使う色は「メインカラー」「サブカラー」「アクセントカラー」の3つ程度に抑えると、ぐっとまとまりが出ます。
メインカラー(壁や床など大面積部分):1色
サブカラー(建具や家具):1〜2色
アクセントカラー(クッションやアート、照明などのポイント):1色
色を絞らないと、部屋全体が散漫に見えたり、せっかくの家具や小物の魅力が埋もれてしまうことがあります。
例えば、白を基調にしたリビングに、薄いグレーと木目の家具を組み合わせるだけで、柔らかく落ち着いた印象に仕上がります。
素材感を揃える
色だけでなく質感(マット・光沢・天然素材など)を揃えると、異なる色が混じっていても統一して見えます。
例:木目+マット塗装で温かみを出す、金属+艶消しブラックでモダンに見せるなど。
素材感を意識しないと、色は合っていても「部屋の雰囲気がちぐはぐ」になり、オシャレさが半減してしまいます。
配置と余白の調整
家具やインテリアを置くときは「余白」を意識しましょう。
詰め込みすぎると散漫に見えたり、あいている部分がなさすぎると息苦しさ(圧迫感)を感じます。
壁から家具までの距離を確保する
通路や動線を意識して家具を配置する
視線が抜ける空間を作ることで広がり感を演出
余白があると、部屋全体に統一感が出るだけでなく、実際に生活するときも動きやすく、掃除や片付けのしやすさにもつながります。
3. 収納をデザイン要素にする
収納は単なる「しまう場所」ではなく、空間をきれいに見せる仕掛けとして活用できます。
ちょっとした工夫で、部屋全体の雰囲気を整えることが可能です。
生活感を隠す
扉や引き戸を使えば、散らかりがちな日用品や子どものおもちゃもすっきり隠せます。
見せたくないものを隠すことで、部屋全体が整った印象になります。
収納自体をインテリア化する
壁面収納や造作収納を取り入れると、家具そのものがデザインの一部になります。
扉をつける場合は、木目の扉やガラス扉を選ぶだけで、収納しながら空間のアクセントにもなります。
モノの定位置化でストレスを減らす
「使ったらここに戻す」という定位置を決めると、毎日モノが散らかることを防げます。
特にリビングやキッチンでは、この仕組みがあるだけで掃除や片付けがラクになります。
設計段階から収納を考えるメリット
インテリア設計と一緒に収納計画を立てると、後から「置きたい家具が入らない」「配線や家電が丸見えになる」といった後悔を防げます。
また、収納が美しく配置されることで、統一感のある空間づくりにもつながります。
例えば、リビングの壁一面に埋め込んだ本棚や、階段下のスペースを引き戸付きの収納にするだけでも、部屋全体がすっきり見えます。
こうした「見せ方・隠し方」の工夫が、統一感あるオシャレな空間のカギになります。
4. コンセント配置・配線設計の重要性
どんなにデザインにこだわっても、電化製品のケーブルが床や壁に無造作に見えてしまうと、せっかくのオシャレ空間も台無しです。
そこで重要なのが、コンセントや配線の位置を建築段階で計画することです。
家具や家電の配置をシミュレーション
テレビ、照明、冷蔵庫、プリンターなど、設置予定の家電を想定し、どこに置くかを事前に決めます。
これにより、ケーブルの長さやルートも自然に決められます。
必要なコンセント数・位置の確保
家電の数や将来的な増設も考え、余裕をもってコンセントを設置します。
足りないと延長コードだらけになり、見た目も安全面も悪化します。
ルーター・Wi-Fi機器・スピーカー類の配線計画
これらは目立つ位置に置かざるを得ないことも多いですが、壁内配線や家具下の配線トレイを使うとすっきりします。
照明スイッチやスマート家電対応の配線も意識
最近はIoT家電(ネットに繋がった家電)やスマート照明が増えているため、スイッチやセンサーの位置も一緒に検討すると後悔が少なくなります。
事前に設計段階で決めておけば、後から壁に穴をあけて配線を隠す必要がなくなり、延長コードだらけの生活を避けられます。
見た目だけでなく、掃除のしやすさや安全性も格段に向上します。
5. 実例で見る「統一感が効いた空間設計」

この空間は、まさに「統一感が生む上質なナチュラル空間」のお手本です。
全体を淡いホワイトトーンでまとめながら、素材の表情で立体感を演出しています。
木目のドアや床材は、ほんのりとした節や木肌のニュアンスを残しており、白一色でものっぺりせず、温かみが感じられます。
家具も同系色で統一されていますが、塗装のツヤや質感の違いが微妙なコントラストを生み、空間に深みを加えています。
また、壁面に飾られた植物画がポイントです。
淡い色合いの中にやさしい彩りを添え、アクセントカラーとして空間を引き締めています。
「見せる収納」も美しく整っており、雑多さがなく、ディスプレイのように整った印象です。
全体として、色・素材・配置のバランスがとれており、主張しすぎないのに上品で、心地よく過ごせる空間となっています。
まさに「統一感がある=シンプルで洗練された暮らし」を体現したインテリアです。

この空間は「素材と色のコントラストで生まれる統一感」が見事です。
コンクリート調のグレーの壁と、深みのある木目の家具を組み合わせることで、クールさと温もりがバランスよく共存しています。
ブラックのスチール素材や無機質な照明レールが全体を引き締め、観葉植物やグリーンでほどよい抜け感がプラスされています。
収納棚や飾り棚も空間の一部として設計されており、「見せる収納」と「隠す収納」をうまく使い分けています。
シックでありながら、生活感をセンス良くまとめてありますね。
まさに「大人のインダストリアル空間」と呼ぶにふさわしいインテリアです。

こちらは「隠す収納の美しさと実用性」が両立した空間といえます。
ラタン調のカゴを使うことで、収納量を確保しつつも見た目がやわらかく、温かみのある印象に仕上がっています。
白を基調とした明るい空間に、木やカゴの自然素材が映えて、「清潔感」と「ぬくもり」が同居しています。
収納そのものの色調が生活空間と合わせてあるので、扉を開いても雑多に見えず、キッチン横やパントリーなど、毎日の収納が心地よく使えます。
暮らしの中で「整う美しさ」を感じさせる、「ナチュラル×シンプルな収納スタイル」の好例です。
6. よくある失敗と改善ポイント
色をたくさん使いすぎて「散らかった印象」になる
壁・床・家具・カーテンなどに多色を使うと、視覚情報が多くなり落ち着かない印象になります。
ベースカラーを1〜2色に絞り、差し色はワンポイントにしましょう。
統一感を出すコツは「同じトーン」でまとめることです。
素材を混ぜすぎて統一感が消える
木・金属・ガラス・布などをバランスよく組み合わせるのは素敵ですが、やりすぎるとちぐはぐになりがちです。
素材は「主役」と「引き立て役」を決めて構成しましょう。
例:床をオーク材にしたら、家具も同系統の木目やマットな金属で統一。
収納の扉や家具の高さで「視線を阻む」要素が出る
家具の高さがバラバラだと空間が分断されて見えます。
目線のラインを意識して高さをそろえると、すっきり広く感じられます。
圧迫感が出る場合は、上部をオープン棚にするのもおすすめです。
コンセントが足りず、ケーブルが床や壁を這う
せっかく整えたインテリアも、ケーブルが絡むと一気に生活感が出てしまいます。
設計段階で、家電や照明の位置をシミュレーションしておきましょう。
家具の裏や棚の中に配線を通す工夫で、見た目も安全性もアップします。
照明の色味・光源を統一していないため、部屋ごとに「色味感覚」がズレる
リビングは電球色、キッチンは昼白色……とバラバラにすると、家全体でちぐはぐな印象になります。
全体のトーンを揃えると統一感が生まれます。
とくに最近は「調色機能付きLED照明」で季節や気分に合わせて色温度を変える方法もおすすめです。
7. リノベーション・工事で気をつけたい点
リノベーションは「新しくする」だけでなく、「既存を活かしながら整える」工事です。
だからこそ、完成度を左右する細やかな確認がとても重要です。
まず注意したいのが素材の色味です。
既存の壁や床と新しい素材のトーンが微妙にずれると、仕上がり全体の印象が不自然になりがちです。
必ず現物サンプルを並べて確認しましょう。
また、照明器具やスイッチ・コンセントの位置も、生活動線や家具配置に合わせて再設計が必要です。
プラン段階でイメージしていた場所に設置できないケースもあるため、現場での確認を忘れずに行いましょう。
さらに、下地材・断熱材・防湿工程といった「見えない部分」の施工を軽視すると、仕上げが浮いたり、数年後に不具合が出たりします。
美しい見た目を保つためにも、基礎部分こそ丁寧に行いましょう。
最後に、リフォームでは天井の高さ・梁・配管などの制約がどうしても発生します。
理想のデザインを優先しすぎず、「現場の条件に合わせて調整する」柔軟な発想が成功のカギです。
8. まとめ:統一感ある空間で暮らしも心地よく
「統一感」とは、単に見た目を揃えることではありません。
色や素材のバランスだけでなく、使いやすさ・動きやすさ・収納のしやすさといった「日常の心地よさ」まで含めて整えることが、本当の意味での統一です。
家具や建具、照明のデザインが揃うと空間に安心感が生まれますが、同時に配線やスイッチ位置、収納動線がしっかり考えられていると、暮らしのストレスがぐっと減ります。
さらに、自分や家族の「好きなテイスト」がその空間に自然と馴染んでいると、毎日の生活が少し特別に感じられるものです。
ISK工房では、デザイン性と機能性のバランスを大切にしたリフォーム・リノベーションを行っています。
「今の家をもっと心地よくしたい」「統一感のある空間に整えたい」「オシャレな空間を作りたい」とお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
現地調査からプランのご提案まで、丁寧にサポートいたします。





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